ワンダービューティフルライフ(?)

これはその帰りの電車から始まった愛の物語です。


嘘ですがまぁ聞いてください。


プレイヤーを買ってうきうきしながら駅の構内に入ったらあれなんです。
俺の地元の駅は快速電車はとまらないんで各駅停車の電車に乗らないといけないわけです。
で。
快速待ちの各駅停車に乗って「早く発車しないかなぁ」と思ってたら。

向かいに女子高生がいたんです。
女子高生。といってもあのなんか今時の

「TUKA- マジーちゃーむかつきーていうかーアレチャン?アレチャン?」

みたいな女子高生ではなく(いねぇよ


むしろ

おい、年貢の奉納はまだか。」

みたいなこう柔道部にいそうな女子高生だったんですよ。
ここ大事ね。


その女子高生もやはり10代の女の子。
新しく買った携帯のストラップを取り出したんです。
包装を開けて携帯に取り付ける。

まではいいんですが。

そのあとストラップを見てるんですが
なんかこうなんだろう。
凝視?
ストラップを目の前10cmくらいまで持ってきて見てるんです。
穴があくほどに。
穴があくほどに。
穴があくほどに。

こうあれ例えると青木さやかが喧嘩売るときみたいな顔で。
ストラップに「何見てんのよ?(怒
みたいな感じで。

もうなんかひたすら見てるんですよ、鬼の形相で。

そのストラップに何の因縁があったのかは知りませんがとにかく見る。 見る。 見る。







電車が発車してもその子は見てました。
俺もその子をひたすら見てました。

柔道部にいそうな子が。
青木さやかが喧嘩売るときみたいな顔でストラップを見ている。

その光景を俺はひたすら眺め。

結局その子は電車を降りるまで見てました。
きっと帰っても見てるのでしょう。
そして死ぬまで見続けるのでしょう。
そして息子娘に
「みて」
って遺言を残すのでしょう。





さて、電車を降りて駅のトイレに入ったら
歯を磨いてるおっさんがいました。

思わず尿意が引いた。